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【辞典詩集(仮)】と:トンボ
パーキングエリアで彼女に電話を入れ 彼は再び車を走らせる
もう一時間も走れば 彼女の待つ家へ辿り着く
トンネルを抜けたところで 季節はずれのトンボの群れが行く手に現れる
ほとんどは車の周りに出来た空気の川にのって彼の視界から飛び去っていくが
流れに乗りきれない数匹が次々とフロントガラスにあたり死んでいく
彼は思わず顔を歪め トンボの死骸から目をそらすようにバックミラーを覗く
夕日が美しい

彼女は食事の準備を終えソファーに身を投げる
テレビのニュースでは
幾日か前の事故で命を失った小学生の葬儀の様子が映し出されている
何かがずれている 彼女は思う
大事なことはそこにはないのだ 問題はそんな事ではないのだ

靴を脱ぎリビングの扉を開けると 彼女が静かに泣いている
どうしたのかと彼は聞く どうもしないと彼女は答える
それ以上は何も聞かず 彼は彼女の肩を抱く
しばらく二人で並んで座り 食事をし 仕事のことや将来のことを話す

一日のスイッチを消すように 電気を消しベッドに入る
彼は彼女を抱きしめ 彼女の髪に顔をうずめる
彼女は彼を抱きしめ 彼の心臓の音を確かめる
ぴったりと体を寄せ合って やがて二人は別々のことを考え始める
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