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【辞典詩集(仮)】ル:ルビー。
ずいぶんと久しぶりに更新。今年に入って初です。
【辞典詩集(仮)】ル:ルビー。
階段の下で少女は待っている。
少年が降りてくると少女は空を見上げている。
大きな月に見とれているのかと顔をのぞき込むが少女は目を閉じている。
「。。。風」と少女はつぶやくように言う。
少女の肩でコトリが「ククッ」と鳴く。
少年の肩でコトリが「ククッ」と返す。

二人は夜の道を歩く。しばらくは無言で。肩のコトリも静かにしている。
「。。。風」と少女が言う。「風が良い気持ち」と言う。
少年はうなずいて彼女の横顔に目をやる。キレイだと思う。
少女のコトリが首をかしげ透き通った赤い片眼で少年を見る。
「ルビーみたいだ」少年は思わず口にする。
コトリに触れようと手を伸ばす。
少女がその手を取り二人は手をつないで歩く。

「君のコトリは素敵な眼をしている」と少年が言う。
「あなたのコトリは素敵な声をしている」と少女が言う。
「僕のコトリにその眼をくれないか」と少年が言う。
「それはどうかしら」と少女が言う。
「二人で大事に僕のコトリを育てれば良いよ」と少年は言う。
少年は立ち止まって少女を抱きしめる。

少女は左の耳で少年の息づかいを聞く。
右の耳でコトリの小さな鳴き声を聞く。
「二人で大事に僕のコトリを育てれば良いよ」と少年は言った。
それは誓いなのだろうか。と少女は思う。
あるいはただの願望。祈り。欲情。

少年のコトリが再び小さな声で鳴く。
少女のコトリのルビーが鈍く光る。その赤がさっと深みを増す。
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